2012年5月31日

「英語の冒険」~その5~ 活版印刷から統一言語への道

前回、最後に書いた通り、活版印刷技術により、公には認められていなかった英語訳による聖書も次第に広まってゆく。

ただ、問題になるのが「どう書くか」つまり「綴りをどうするか」という問題。
というのも、昨今のIT系企業の群雄割拠ぶりよろしく、当時の英語も地方により千差万別、つまり、みんな勝手に「自分なりの英語」を使っている。

本書によれば、現在"through"で通っている単語の綴りが500以上、"she"でも60以上あったそうな。(p150)

そこで、国で使う「共通の書き言葉」を決めるために大法官府にて、1つ1つの単語を決めていったそうな。

しかし、何せ、数十数百存在する綴りの中から1つを選ぶ際に意見が対立するのは容易に想像がつく。

まずは、「音に忠実に綴る派」と「昔からの伝統を守る派」の対立だ。
それで話が終われば可愛いものの、「ちょっと格好良いスペルにしようよ派」だ。やはり特権階級を陣取っていた名残は強いらしく、doubt(疑い)や、debt(借入)の"b"は「ラテン語風の雰囲気を与える」ためだけに加えられたそうな。(p154)

そんな知るかって!w

p155には印象的な一説が:

「余計な手出し派は彼らなりに英語の発達に理性をもちこもうとしたのだ。だが英語はけっして理性的な言語ではない」


その6につづく